世界のお金持ちはどのような運用をしているのか
前回「貯蓄」について話をしました。40歳代の人の貯蓄が10年前よりも減っているという話です。
では、資産をすでに多く持っている富裕層の方はどうなのでしょうか。
世界のお金持ち、英語でいえばHNWI(ハイ・ネット・ワース・インディビジュアル)は、
どのような運用をしているのでしょうか。
資産を守る
富裕層の方は、資産を増やすことよりも守ることを好みます。失うものが多いことを嫌うのです。
その場合、富裕層はポートフォリオ、すなわち資産の配分をどのようにするのでしょうか。
ざっと書き出すとこのようになります。
・株式:31%
・現金及び現金同等物:27%
・不動産(住居を除く):17%
・債券:16%
・オルタナティブ投資:9%
まとめるとこんな感じでしょうか。
・流動性をもつ現金 約3割
・キャピタルゲイン狙いの株式 約3割
・インカムゲイン狙いの不動産と債券 約3割
・ヘッジファンド 約1割
というように「3:3:3:1」の資産配分(アセット・アロケーション)です。
つまり、資産のポートフォリオをこのように構築しているということですね。
富裕層はリスクばかりをとっているわけではない
現金を30%程度もち、リスクのあるものは思っていたよりも少ないといえるでしょう。
リスクを避けたポートフォリオです。
ここでの株式は世界株であり、日本株ではない点に注意は必要ですが、慎重派が多い
日本人向きのポートフォリオと云えるのではないでしょうか。
貯蓄が減っている人も、年間5%でも運用することで資産を積み重ねることができていれば
貯蓄が減っていたという事態は避けられたかもしれません。
(ここ5年程度であれば日本株も好調でした・・・)
40歳代は、結婚をしていて子供がいれば、子育て、教育費、そして住宅ローンなどの支出や投資も
かさむこともあるでしょう。その中でも長期で資産を形成する場合には、このような資産配分を
参考にして見るとよいのではないでしょうか。
現実との比較
では40代の金融資産はどのようになっているのか、どういうものに投資をしているのでしょうか。
以下はそれぞれの貯蓄の金融商品に対して、どれくらいの比率が保有しているかの割合を
示したものです。
・預貯金:93.8%
・株式:75.6%
・保険:53.9%
・投資信託:54.9%
・公社債:11.5%
・信託7.9%
※日本証券業協会の「個人投資家の証券投資に関する意識調査報告」
40代投資家も株式投資の経験者は多い
みなさんの印象はいかがでしょうか。
預貯金の9割超の保有比率は多くの人が、うなずいているかもしれません。
調査そのものが株や投資信託をすでに保有している人への調査なので、株式の保有比率が
8割近くあるのも当然かもしれません。投資信託も半分近くの投資家が保有していることが
分かります。
一方で、保険が印象としては少ないのかなと考える人も多いのではないでしょうか。
まとめ
株や投資信託に投資をしている人が多いと感じるか、あるいは少ないと感じるかはこのブログを
読んでいる方の判断次第です。ただ「預貯金だけで貯蓄とよべる投資をしていない」という方は
自分以外の同年代にもリスク資産に投資をしている人がいるということが分かったかと思います。
富裕層のポートフォリオをイメージするのであれば、預貯金の中から、その一部を海外の
ヘッジファンドやミューチュアルファンド(投資信託)に投資することも、資産を構築していく上で
必要になってくるように思います。(いきなり株を自分でやるのは難しいですからね・・・)
株が難くてイヤなのであれば、ミドルリスク型の投資信託に当てはめて考えてみると
分かりやすいかもしれません。
富裕層を参考にしたポートフォリオの例:
・流動性をもつ現金:預貯金 約3割
・キャピタルゲイン狙いの株式 ⇒ オフショア投資信託(ミドルリスク) 約3割
・インカムゲイン狙いの不動産と債券 約3割
※ローリスク型のヘッジファンドや投資信託という選択肢もあり。
・海外ヘッジファンド 約1割
このようなポートフォリオを海外投資で検討してみましょう。
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