市場変動をプラスに変える投資法

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未来を見通せる力を持たず、確実に市場動向を読みきり、絶好な投資タイミングで株式やミューチュアル・ファンドなどへ投資することは、とても難しいことです。頼りにするものが他になければ、マーケットは上がり、下がるという市場原則に立ち返るべきでしょう。それでも予知できないことは、その 動きがいつ、どれくらい起こるかということです。この相場の上値と底値の判断の難しさが、多くの 人に投資が難しいと思わせる原因なのです。
上げ相場であっても下げ相場であっても、市場が動いたときに、現在保有中の金融商品を売却したり 新たに追加投資をしたりせずに、現在のポジションをそのまま持ち続けるということは困難です。  自分の将来の財政状況を懸念している場合は尚更です。見識のある投資家を含め、多くの投資家が  短期的な市場環境の変化に基づいて判断をしがちです。そして、この短期的観測に基づく判断は   潜在的な長期的リターンに大きな損害をもたらし得るのです。
上記のような相関性があるにもかかわらず、幸運にも、市場変動に遭遇しても冷静さを保ち、その  変動がプラスに働く投資運用方法があるのです。それを、ドルコスト平均法と言います。
ドルコスト平均法とは、継続的して一定金額を一定期間、例えば、月毎、四半期毎に投資する手法です。一口あたりの価格は上下しても、投資金額は変わらず一定なので、投資時の相場により、平均価格より高い価格で少ない数量を購入しているときもあれば、安い価格で大きな数量を購入しているときもあるのです。

ここが、この手法のポイントです。長期間に渡って一定金額を投資すると、価格が安いときには、より多くの口数を買い付けることができ、価格が高い時には、買い付ける口数が少なくなります。変動するマーケットでは、一定した株数やユニット数または、口数での投資ではなく、一定の金額で投資をすることで、一口当たりの平均買い付け価格が、同期間の平均価格より安くなることが可能となるのです。

ドルコスト平均法という手法

では、毎月100ドルずつ3ヶ月間継続的に投資したとしましょう。あなたが選択した運用商品は   当初、一口当たり10ドルだったとします。初めの月は、10口買えるということです。そして、翌月 マーケットが下落しました。悪いニュースでしょうか。いいえ、そうとは限りません。あなたが   前月に一口当たり10ドルで買った価格が、今では8ドルの価値になっていたとしてもです。あなたは まだ、継続的に毎月100ドルの投資をしていることを忘れないで下さい。価格が下落したおかげで  毎月投資する100ドルで、今回は12.5口買うことができたのです。そして、マーケットがリバウンド した時を想定してください。例えば、分かりやすく、3ヶ月目に回復したとしましょう。それぞれの 口数の価値は、今、10ドルです。3ヶ月目の投資で、あなたはまた10口買い付けることができました。つまり、合計32.5口保有していることになります。
今、どのようにこの手法が働くか見てみました。3ヶ月間であなたが投資した300ドルで32.5口買い 付けました。平均購入価格は、あなたが同時に投資したときよりも(一口10ドルで30口購入することになるので)安くなっています。3ヶ月間の一口当たりの平均価格は、1ヶ月目、一口10ドル、2ヶ月目8ドル、3ヶ月目10ドルですから、合計28ドル÷3ヶ月で、9.33ドルです。しかし、あなたの平均購入価格は、毎月100ドルずつ継続して投資しているので、3ヶ月間で総額300ドル÷32.5口ですので  ドルコスト平均法を使用した場合の購入価格は、前述よりも効率的に9.23ドルとなります。
これは、ファンドの口数・価格関係だけではなく、外国通貨で投資をするときの円・外国通貨の変動による為替リスクでも同じ原理が働きます。

ドルコスト平均法でリスクを軽減

また、ドルコスト平均法はリスクを軽減する役割も果たします。一度に一括で投資するよりも、マーケットが下落したときのリスクをとっているので、投資開始時に段階を踏んでハイリスクなマーケットに投資しているからです。この手法は、初期購入時よりもマーケットが上昇したとすれば、高いリターンを得る機会を失ってしまうことにもなりますが、マーケット下落時には衝撃を和らげるクッションにもなるのです。
ドルコスト平均法は、計画的な方法で積立運用を行いたい人には、良いアプローチ方法と言えるでしょう。そして、大事なのは、たとえ投資金額が少額だったとしても、自分が投資を継続して行えるだけの金銭力があるのか考慮することです。
積立投資は、一括投資の代替ではなく、また、一括投資よりも良いと勧めているわけではないという ことを、加えて述べたいと思います。ある程度、まとまった資金を銀行に預金として眠らせたまま  時間をかけて積立投資をしていくと、銀行に放置しておくよりも、もっと高い利益が得られるかもしれない機会を逃してしまう、投資遅延リスクの方が高くなるのです。適切なフィナンシャル・プランニングを行うために重要なのは、効率よく全てのお金を活用することです。一括投資は一括資金で、積立投資は、給料や賃貸収入投資の配当など入ってくる収入の一部から、低利息の銀行や郵貯銀行にまとまった資金を作成する間、何もせずに置いておく代わりに、有効的に資金運用をする為に、ドルコスト平均法を活かし、ミューチュアル・ファンドへ分散投資すると良いでしょう。
次回は、資産配分(アセット・アロケーション)について、少額を集中して高リスク商品に投資するのではなく、高い安全性を保ちながら、総括的なポートフォリオを通して高いリターンを得るように  どのように資産を配分すれば良いのか、お話していきましょう。