ファイナンシャル・プランニングをするということ

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生涯のある地点で、フィナンシャル・プランニングをすることは、誰にとっても重要なことです。  子供の教育資金、老後資金、不動産購入、次の世代へ資産を継承する相続対策のため、目標を成就  しないまま終わってしまうことのないよう、目的に関わらず出来るだけ早く取り組む必要があります。ライフイベントにいくらかかるのかを試算しようにも、状況によって変化するため考えるのが面倒で とても大事なライフイベントの計画を立てることを後回しにしがちな方がほとんどです。      インフレや地政学的問題などの変動要因や、退職後の場合にはどれだけ生きられるのか、どれだけ働けるのか、企業年金や国民年金は十分なほど支給されるのだろうかということも計画を立てる際に   考慮しなくてはなりません。
では私たちは、退職時に一体いくらぐらい必要なのでしょうか。この問いに答えるのは簡単では   ありません。全員に該当する公式がないからです。一世代前までは、もう少し単純だったように   思います。生活スタイルも大差なく、福利厚生も安定していましたし、受けられる医療技術も限られていました。
現在では、寿命が延び、経済やテクノロジーも発達し、目まぐるしく変化しています。各個人が退職後の生活の計画をし、これまで以上に増す出費に備えなくてはなりません。早く退職後の計画を始める ほど、より多く資金が用意できるので、20年、30年と続く退職後の生活が豊かになることでしょう。

希望や目標を明確にし、今後を分析

フィナンシャル・プランニングを始める第一のプロセスとしては、まず、自分自身の希望や目標を明確にすることです。
どのように、どこで将来的に生活をしたいのか。ずっとしたいと思っていたけれど、忙しくて出来なかったことはないのか。何が自分にとっての幸せなのか。配偶者も同じ考えをもっているのか、どのようにこのような問題に対して考えているのか。もちろん、このような問いの答えは、人それぞれです。 田舎で暮らしたい、都市部で暮らしたい、一年の一定期間を外国で暮らしたい、もしくはハワイ、  タイ、ヨーロッパで海外移住したいなど。こういった質問を自問することは、あなたの人生にとって 何が重要かを気づかせてくれるでしょう。
第二に、経済的にどういう状況にいて、退職後の活動資金をどう蓄え、目標金額に達するには    どうすれば良いのかを分析をすることです。
退職後の生活に必要な経費を十分確保すると同時に、現在の生活の収支バランスを見直さなくては  なりません。現在の住宅費用、保険料、食費、医療費、生活経費、旅費、車の維持費など、様々な支出を加算します。子供を持たないかもしれないから、退職後は気ままにたくさん旅行に行くようになるかもしれない。現在の社会保障制度は崩壊してしまうだろうから、医療費は著しく増大している可能性もあるので、その分も忘れずに加味しようなど。こうして、将来かかる費用を考えたら、年間いくらぐらい必要になるか想定することができます。退職後、収入がなくなった上で、どのようにこの費用を捻出していきますか。

退職後の資金準備の重要性

このように、現在の状態を基に、いつ退職するか考え、状況が変化した場合も考慮しながら、退職年齢を仮定し、どのようにすれば、このような費用を年収から捻出していくことが可能かプランニングする必要があることは明らかです。
医療技術の進歩により、人々はより長生きするようになりました。つまりさらに数年余分に考慮して 計画する必要があるということです。寿命が延びるに従い、高齢化が(特に日本は)進み、支払う人が少なくなり、引き出す人が増えてしまうと、年金システムは、これまで以上にひずみを生じます。  社会年金から得られる利益は、総支払額の80%までと控えめに計算しておくと得策でしょう。これに 加え、年率2%のインフレがあると言われていますが、上昇する穀物やエネルギーなどのコモディティと早い速度で上昇する人件費を考慮して、インフレ率を3%と考えておくと、より安心でしょう。
退職後に必要となる金額を元に、資産運用の投資元本を計算します。分散投資をし、年平均5-8%の利益を期待することが可能です。例えば、ある投資家が退職時に年間3千万円の収入が必要だったとします。預金利率が5%としましょう。とすると、退職時には6億円の資金が必要になることになります。 さあ、これで退職後の資金を用意することがどれほど重要かお気づきになられたでしょう。
最後に目標に応じたフィナンシャル・プランニングの設計は、注意深く、専門家の助けを借りて行う べきです。様々な方法があるため、その人に合ったプランを練ることは容易ではありません。フィナンシャル・コンサルタントは、フィナンシャル・プランを具体化させ、実行に移す手助けをし、定期的に変化する情勢やライフプランに合わせて見直しを行います。

目標に合わせて計画的に投資する

では、実際どのような手法を用いて目標資金を作成すれば良いのでしょうか。
積立投資を選択する人もいます。目標に合わせ、毎月一定額をミューチュアルファンドに投資していくのです。ドルコスト平均法のメリットが享受できるこの手法は、マーケット状況に関わらず効率よく投資が行えます。定期的に投資することで、日々変化する為替やファンド価格の動きに惑わされず、価格が平均化されるため、投資タイミングリスクを低減させ、投資期間の平均レートより低いレートでの ドル購入を可能にするのです。

ドルコスト平均法については、こちらから。

インフレ上昇率にも追いつかない1%以下の利率で、銀行や郵便局に預金を眠らせておくよりも、もっと生産性のある金融商品を望む人もいます。
実際、インフレが年率3%で進行しているとしたら、毎年、お金の購買力が少なくとも2%ずつ減っているのです。安定的なミューチュアルファンド、ヘッジファンド、不動産へ投資をすれば、インフレをしのぐことも、安全、安定的に資産を増やすことも、何年も前もって熟考し適切に計画すれば難しいことではないのです。
将来のフィナンシャル・プランニングを怠り、漠然としたまま、企業や政府が年金を賄ってくれると 信じる時代は遠い過去の話です。この厳しい現実に自分自身で備えなくては、後にひどく後悔することになるでしょう。本当に用心深い方は、政府や企業が期待に答えられない場合に備え始めています。 自分の将来に関わる重要事項を、気まぐれな政府が取り組むようになるのを期待し、先延ばしには  していません。
老後資金を作成する良い対策は、高いリスクをとる必要はないのです。10-15年間かけ、極めて  保守的に、過度なリスクをとらず、年成長8-10%を期待できるポートフォリオを組むことです。  目標へ向け蓄えることがそれほど大きな負担にならないよう、できるだけ早く、フィナンシャル・プランニングを行い実行していくことは、将来いくら準備できるか決定する重要な要素です。
例えば、毎月26万円を30年間積立て、年間10%で継続して運用できると、約6億円の資金を  作成することが可能です。たとえ10年間しか退職までに期間がなかったとしても、毎月3百万円積み立てることができれば、6億円に達する計算ができます。
早く計画をし、実行に移すと、時間を味方につけることが可能になり、複利効果を享受できるのです。