投資の基礎知識

個人に求められる、資産運用と管理

自分の資産は自分で守る

あるアンケート調査で60歳未満の実に90%近い人達が自身の老後の生活に対し不安を感じていると回答しました。老後の生活に対する不安のその内訳を見てみますと、「年金」と「貯蓄」がその大半を占め、経済的な不安を感じている人達がとても多いことを証明しています。

72の法則を知る

現在、日本における個人金融資産額は1500兆円に達すると言われています。しかし、この約6割以上を65歳以上の高齢者層が保有しているというのが現状です。今後、日本経済を担っていく1950年以降生まれの世代の貯蓄率というのは大変低いものになっています。貯蓄率・金融資産額が増加しない一番の要因として、日本の低金利が上げられます。            
投資・資産運用の世界では複利で運用資産額を計算します。72の法則とは、年利何%で運用すると初期の投資額を倍にすることが出来るかを導き出す法則です。
ゼロ金利を解除し長い月日が経ったにも拘らず、現在、都市銀行の普通預金金利は未だに1%に遥か及びません。現在(平成19年4月時点)の都市銀行のスーパー定期10年物預金金利は0・8%です。この金利で元本を倍にしようとすると何年かかるでしょうか? 「72」を運用利率で割ることで答えが出ます。
72÷0・8= 90年 です! 今後金利が据え置かれるという前提ですと、現在40歳の方が銀行預金で運用元本を倍にするには、なんと130歳までかかってしまいます。いくら医療技術が進み、高齢化社会が進むと言っても130歳まで待てる方はいらっしゃらないと思います。
昔はどうだったのでしょうか。第2次ベビーブームと言われた1975年、預金金利は7・75%でした。現在の9・6倍です。その当時、銀行預金で運用するだけで、約9年間で元本を2倍にすることが出来たのです。これが現在の保有金融資産額の差を生んでいるのです。

銀行にお金を預ける?ということ・・・

皆、多かれ少なかれ銀行に資産の一部を置かれていると思います。ほぼ全ての方がその利便性と信用性から銀行に預け入れているのであって、預金利息を得るために銀行預金をされていないでしょう。
銀行預金というのは、逆の解釈をすると、銀行にお金を貸し付けているのです。貸付金に対して支払われるのが利息で、それが前述の10年物定期預金で年率0・8%です。逆に住宅購入などで同じ銀行でローンを組んだとします。すると、銀行はその5倍にもあたる、年利4%でお金を貸してくれます。いかに銀行が儲かる仕組みかがお分かり頂けると思います。
勿論、銀行を利用する利便性は沢山あります。しかし、それ以上のメリットは無いのが事実です。自分の資産は自分で守り、形成し増やしていかなくてはいけないこの時代に、年利0・8%で多額の資産を他人に貸している内は、将来的な不安は決して払拭されないと思われます。
老後の事を考えたら、まずは自分自身の資産状況を正しく把握することが大切です。そして人間いつ死ぬかは分かりませんが、将来的なイメージを持ち計画を立てるとこから、資産管理・運用はスタートします。
そこで重要となってくるのが「72の法則です」

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