2011年の東日本大震災後に円相場は最大で7円以上跳ね上がりました。1995年につけた1ドル=79円75銭をあっさり突破、そのまま76円25銭まで急伸しました。外国為替証拠金取引(FX取引)における個人投資家のロスカットが次々と発動し、更なる円高を誘発した経緯が見受けられました。当初は生損保会社などが今後の保険金支払いに備え、円資金確保のために外貨資産を一度に大量に売却したことによる急速な円高とも考えられましたが、実態はヘッジファンドなど投機筋による「ストップロス狩り」が行われたようです。

「ストップロス狩り」とは?

FX取引では、顧客がある限度の評価損を抱えると強制的にその損失を確定させる機能があります。例えば、円売り/ドル買いのポジションを持っていた場合に、相場が逆の円高/ドル安になると顧客の評価損が膨らみます。そしてその評価損がある限度を超えると手持ちのポジションとは反対の決裁が強制的に行われ損失の確定が行われます。買っていたドルを売って、円を買いますのでその強制決裁によって更に円高が進行するという結果を招きます。このFX会社のロスカットを狙い、取引の少ない時間帯にヘッジファンドをはじめとする投機筋が意図的に大量の売りまたは買いの取引を行って相場を動かし大量のロスカットを発動させることで更なる相場の急伸を誘発し、下がりきったところで新たに大量の逆張りをして莫大な利益を上げるのを「ストップロス狩り」と呼びます。

日本の個人投資家は円高ドル安の局面において、逆張り(円を売ってドルを買う)の行動に出る人が多いので、その習性に目を付けた海外投機筋が取引の少ない日本の個人投資家が寝ている早朝の時間(NY市場終了間際)を狙って大量の円買いドル売りを仕掛け、強制ロスカットの大量発生を引き起こしました。円高が76円前半まで急伸した後に、ドルを大量に買い込み、為替介入を待って売り戻せば大儲けという構図です。そんな「ストップロス狩り」に遭わない為に、常に十分な余剰金を証拠金として蓄えて、高すぎるレバレッジ取引を行われないことをお勧めします。

PPBとラップ口座

 数年前から国内大手証券会社などでも取り扱いを始めた「ラップ口座」は、様々なファンドを中心とした金融商品をお客さまのニーズに合わせて組み合わせ、オーダーメイド型の運用設計を売りにしています。しかし現状は、選択可能な商品ラインアップが日本国内で登録されている商品だけであることは当然ですが、口座保有をしている証券会社の「専売」商品によってお客様のポートフォリオが構成されることが多いようです。

 一方で、オフショアPPBでは世界中の金融商品から投資対象を選択することが可能です。オフショア地域で運用される世界トップパフォーマンスのミューチュアルファンドやヘッジファンド、個人投資家が通常投資することが出来ない機関投資家向けのファンドや、世界主要証券取引所の上場個別銘柄株式やETF、さらには海外銀行の定期預金などへも投資が可能です。勿論異なる通貨(マルチカレンシー)を一元的に管理保有することが出来ます。通常PPBを管理する会社は自社の運用商品を持っていないために、投資ポートフォリオは投資家毎の投資経験や運用目的、必要とされる流動性や、リスクの許容度などを加味した上で決定されます。10~40本程度の極限られた国内ファンドで構成するラップ口座とは次元が異なります。

世代を超える資産運用

 オフショアPPBの多くは、一世代に限った投資というよりは世代を超えた資産保全や運用を想定しています。親から子へ、そして孫の代へ資産継承を行う為の様々な機能がPPBには備わっています。最高で4名の共同名義人の設定が可能で、口座保有期間は短くても99年間または名義人を入れ替えることで半永久的に保有することが可能です。より資産保全を確かなものにする為に、PPBを低税率地域(タックスヘイブン)において信託財産化することも可能です。

 投資家毎に異なるニーズに適した投資ポートフォリオの作成と運用手法の決定、更には資産継承などに関する長期のプランニングを行う際に重要となってくるのがオフショア投資に精通したフィナンシャルコンサルタントの存在です。

 次回はインフレと資産運用について触れたいと思います。

メイヤー・インターナショナル

メイヤー・インターナショナルはオフショア金融商品サービスに特化した独立系資産運用コンサルティング企業です。弊社は、独立系としての強みを活かし、中立的かつ客観的な立場より、世界中の様々な金融機関と連携を図りながら、個人ならびに法人のお客様のニーズに合ったグローバルスタンダードな資産運用設計を提供いたします。お客様の資産運用に関する具体的な目的や目標を理解し、その目標を達成するための最適な運用戦略を提供することが我々のミッションです。