海外資産運用術

資産自己防衛時代の到来

 今となっては懐かしい、「100年安心年金」。100年どころか、もう数年後には制度自体が継続困難とみられ、さらなる受給年齢引き上げが議論されています。こんな状態で私たちは安定した、安心できる老後を迎えることが出来るのでしょうか?

今回から始まる「海外資産運用術」コラムでは、海外における資産運用の現場をグローバルな視点で捉え、フィナンシャル・コンサルタントという立場から皆様にその新たな資産運用のステージを紹介していきます。第一回目は今、日本が直面する大きな問題、財政赤字の拡大と人口構造の変化について、そして私達、フィナンシャル・コンサルタントの役割についてです。

 財務省の発表では、発行済み国債の残高が2019年3月末時点で、1,103兆3,543億円と発表されており、1年間で約15.5兆円増加しました。そして今現在も、ものすごいスピードで膨張し続けています。2020年までの間に、いわゆる「団塊の世代」といわれる層が全て70歳を迎え、今後も預金の取り崩しが加速することは間違いありません。若年層の家計貯蓄率は過去最低で、日本の家計貯蓄率は現在の0%(20年前は16%)からマイナスに転じる事が確実視されています。

ジャパンシンドローム

 毎年地方都市1つが消滅する未知の領域へ

労働人口の大幅減少が経済に与える影響は大きく、同時に少子高齢化によって日本の人口構造ピラミッドの歪みは10年後、更に20年後には加速度的に大きくなります。2035年には総人口に占める65歳以上の割合が35%に達する予定です。 タックスペイヤーである労働人口の割合が減少するだけでなく、人口自体が減っていくことにも着目しなければなりません。総人口に占める年小人口(0~14歳)の割合で日本は世界最低です。勿論、総人口に占める65歳以上人口率も世界トップです。高齢化も少子化も事実上世界トップ(2冠?)の日本の行く末をイギリスの経済誌「エコノミスト」が「ジャパンシンドローム」と名づけ取り上げ、本格的に研究対象とされています。欧米各国からは研究者が数十名単位で日本に送り込まれ、自国将来の為の研究が既に始まっています。日本は既に2005年から総人口の減少が始まっています。今後日本は毎年、地方都市の人口に匹敵する約30万人の人口減少という未知の領域に突入しようとしています。

溢れる情報をどう整理するか

 ここ数年、日本では「フィナンシャルプランニング」や各種投資が脚光を浴びています。世界的な金融不安と、慢性的な財政赤字が続く国に対する危機感によって、これまで資産運用に無関心だった日本人も、自己の資産形成と運用について積極的に考えるようになったようです。しかし、一部では情報の供給過多に陥っている可能性も否めません。

 実際に海外に目を向けるとあまりにも多くの情報が溢れていて戸惑ってしまう、という声をよく耳にします。更に数え切れない運用商品の中で、自分に適した商品は何なのだろうかという壁にもぶつかります。いったいどのようにして安全な金融機関と、自分に適した運用方法を見出せばいいのでしょうか。実はこれらの問題を抱えるのは日本人だけではなく、世界中の富裕層に共通した問題なのです。欧米では、独立系のインターナショナル・フィナンシャル・コンサルタントがこれらの問題解決に力を発揮します。フィナンシャル・コンサルタントは、個人個人独特のニーズに合った資産管理・運用手法を、グローバルな視点から選択し、顧客の利益を目的とした運用のコンサルティングを行っているのです。

日本では保全を、欧米では運用を中心に考える

 しかし日本では大半のフィナンシャル・プランナーが、専ら資産の保全という側面に注目する為に、往々にして遺産相続に重点を置いた保険商品などの紹介をしがちです。勿論、欧米のフィナンシャル・コンサルタントにとっても、保全は重要な課題となっています。しかしそれ以上に重要なのは先ず、顧客が希望通りの人生を全うするために必要且つ十分な資産を準備するには、どれだけの余剰資金を生み出す必要があるのか、ということなのです。そのうえで安全性を重視した運用コンサルティングを行っているのです。従って「人生を楽しみながら送るために必要なマネープランニングのお手伝いをする」ということがフィナンシャル・コンサルタントの重要な使命となります。

 次回は、プライベートバンクとそれに代わるポートフォリオ・ボンドについて紹介いたします。

メイヤー・インターナショナル

メイヤー・インターナショナルはオフショア金融商品サービスに特化した独立系資産運用コンサルティング企業です。弊社は、独立系としての強みを活かし、中立的かつ客観的な立場より、世界中の様々な金融機関と連携を図りながら、個人ならびに法人のお客様のニーズに合ったグローバルスタンダードな資産運用設計を提供いたします。お客様の資産運用に関する具体的な目的や目標を理解し、その目標を達成するための最適な運用戦略を提供することが我々のミッションです。