普遍的な魅力を持つゴールドマーケット

金は、何世紀にも渡り、普遍的な通貨としての圧倒的な地位、不滅性、美しさ、希少性といった独特な魅力から、世界中の人々に求められてきました。皇帝や王族、近代国家は皆、国際的に両替可能な通貨として、富の貯蔵と権力の顕示、強化のため、金の所有を望んできました。個人もまた、富の貯蓄や、貨幣価値の下落、マクロ経済、地政学的リスクに対する保険として、金を利用してきました。おそらく、ゴールドマーケットほど普遍的な魅力を持つマーケットは、他にないでしょう。
成功する投資の鍵は、資産の分散とリスク管理にあります。簡単に言えば、「全ての卵を一つのかごに入れてはいけない」ということです。私達は、歴史から、マーケットが暴落しうるものだということを学んでいます。もし、あなたが分散せずに全ての卵を一つのかごで温めていたとしたら、卵は全て一度に壊滅してしまうでしょう。
従って、健全なポートフォリオは、様々な資産クラスを含みます。多様なセクター、地域の株式への投資配分を持つことはもちろん、様々な国の債券、不動産、ヘッジファンド、現金に加え、金関連資産や金塊などへの投資配分をも含みます。どの資産クラスに、どのくらい投資するか決定することが重要です。
この先、世界経済の混迷に拍車がかかると考えるのであれば、金への投資配分を増やすと良いでしょう。金の価格は、現在の1オンス700-750米ドルのレベルを超え、2,000米ドルまで達するという専門家の見通しも数多く聞きます。
この先の情勢をどう考えるかは別としても、ポートフォリオ内に、ある一定の金への投資配分は持つべきでしょう。一般原則としては、金や金関連資産へのアロケーションを最低でも10%前後保有すると良いとされています。

金、金関連資産への多様なアプローチ

具体的に、どのような金資産へ投資するかは、リスク許容度によって判断します。では、どのような投資品目があるのか見てみましょう。

金貨、延べ棒
割増されている購入価格と割引されている売却価格が明示されています。金現物を購入する場合、約8%のスプレッド(差額)が発生します。スプレッドは、少額の取引では大きく、大量の取引では小さくなりますから、投資のために金現物を保有する場合は、このスプレッドを考慮する必要があります。
金証券
金証券は、金の現物への投資ではなく、投資家が希望する価格で金に交換できる権利を持った証書です。現物に比べ、理に適ったコストです。
ゴールドマネー
インターネットを通じて、金の現物を買い付けます。複雑なトラストの仕組みは使用せず、投資家自身が自己名義で金を所有するので、ペーパーマネーではありません。電子取引によって24時間いつでも購入・売却が可能で、現物はロンドンやスイスなど複数の金融機関の金庫で保管されています。日次監査により、所有権が証明され、価格レポートが簡単に入手できます。現物に対する保険や保管手数料も割安です。
ETF(上場投資信託)
デリバティブ契約に基づく金融商品であり、実際に実物資産として金を保有しているのではありません。デイトレーダーに広く利用されており、短期的な金価格の値動きを予測して、ヘッジファンドや機関投資家などの市場関係者がロングやショートポジションをとります。
金関連株式
金関連株式は、金そのものではなく、金鉱関連会社の株式です。金の価格が上昇すれば、金鉱関連会社の収益も上昇しますから、結果として金鉱関連株式の株価も上昇します。しかし、株価には、会社の経営状態や営業実績も反映されますから、いつも同じ動きをするとは限りません。個別の金関連株式は、現物より変動率が高く、リスクも高くなります。
貴金属ファンド
個別株を自分で選択するのではなく、プロが選別した複数の金鉱関連株式に分散投資をするファンドです。パフォーマンスは、単一の金鉱関連会社の利益やパフォーマンスだけに左右されないため、リスクを軽減する効果があります。
また、金鉱関連株やオプション、先物への投資ではなく、貴金属へ直接投資するファンドもあります。管理銀行が貴金属を保有し、その現物の価格変動が、パフォーマンスに反映されます。
金先物
金先物契約は、所定の日に、ある一定量の金を合意した価格で反対売買により差金決済します。レバレッジが効く、ハイリスク・ハイリターンの投資商品です。機関投資家やヘッジファンドなどの取引参加者は、短期間で金価格が上昇、下落するかを予測し投機します。また、金生産者や買い手である商社などは、価格変動リスクをヘッジするための有効なツールとして先物取引を用いています。株式のように、金先物オプション取引もあります。

金資産を保有するなら安全なオフショアで

金融市場のことは、政府に任せておけば大丈夫だと胡坐をかいてはいませんか?私は、国に任せにていれば大丈夫だと安心することができません。それは、過去の数々の事例が、見過ごせないほど如実に物語っているからです。金は政治的に繊細なもので、政府(中央銀行、特に連邦準備銀行)は、個人が金を購入することを嫌います。
実際、米国では、2008年9月末に、突然、当局が一般市民の金塊へのアクセスを制限するようになりました。流通している金貨の中から、新しい金貨を回収したのです。
ですから、金への投資配分は、自国の司法権外に保有することが賢明です。政府による略奪の脅威から免れ、安全に保護してくれる場所、オフショア地域などに保有すると良いでしょう。
では、オフショア地域のどこに金を買いに行けば良いのでしょうか?代表的な場所として、スイスのチューリッヒが挙げられますが、その為だけにわざわざ渡航する必要はありません。現在では、ゴールドマネーやオフショアのミューチュアルファンドへの投資を通じ、金資産をオフショアに保有することができるからです。
経験豊富な見識のある投資家は、金や金関連資産への投資が、堅実な選択肢であることをよく理解し、実践してきました。経済の先行きが不透明な景気後退局面や恐慌下など、世界的に不安定な状況において、金は安定的です。投資家の皆さんは、ご自身のポートフォリオ全体を見渡し、アセットアロケーションを見直されてみてはいかがでしょうか。金資産への投資を適切に行なうことで、質の高い分散されたバランスの良いポートフォリオを作成することができます。