投資の基礎知識

国際フィナンシャル・コンサルタント(IFA)と上手に付き合い、将来を見据えた運用を

資産を効率よく運用する助け人

私たちは、生活に係わる様々な問題について、その分野のプロフェッショナルに相談します。健康や医療に関しては医師に、法律問題に関しては弁護士に相談します。とても重要な分野である教育・老後資金作成、そして不動産購入資金作成や次世代への資産継承といったフィナンシャル・プランニングについては、欧米では相談相手として、自分に合ったフィナンシャル・コンサルタントを持つことが一般的になっています。
日本でも、ここ数年フィナンシャル・プランナーが注目を浴びるようになってきました。しかし、日本のFPは、一般的に、万が一の場合を想定し、世帯主が亡くなったときの死亡保障、病気や入院時の費用をカバーすることに重点を置いた保険商品の提案、家計の見直しなどを行います。それらは重要なことですが、最悪の事態だけを想定したフィナンシャル・プランニングの一部でしかありません。
では、何の重病にもかからず、順風満帆に長生きをしたらどうなるのでしょうか?将来の出来事に備えるだけの十分な資金を用意しているでしょうか?銀行や郵貯銀行預金は、日々の生活費を預けるツールとしては良いですが、長期的に資産形成をするには適しません。しかし、実際には、日本人の多くが預金利率に不満を抱きながらも、投資がうまくいかなかった場合の元本割れを恐れ、資産の大部分を銀行や郵貯銀行に預けています。これでは、宝の持ち腐れです。欧米人は、お金を稼ぐ為に必死に働くだけではなく、そのお金を自分のために一生懸命働かせる方法を積極的に考えます。自分が思い描く人生を送るのに必要な資金を確保するためです。あなたの資産は、新たな資産を生み出すツールでもあるのです。日本の皆さんも、リスクを恐れるだけではなく、リスクを理解し、効率よく運用させる方法を学びましょう。国際フィナンシャル・コンサルタント(International Financial Advisor IFA)は、投資家の立場に立ち、リスクと成長性が適正な配分か考慮し、効率よく運用ができるよう手伝う役割を果たします。

個人の情報を開示してこそ意味がある

リスクとは、通常、時間と、どのように投資をするかによって決まります。長期的に手堅い成長が見込めるものへ投資をしたとしましょう。当初1、2年の間、評価額が多少目減りしたとしても、5年から10年の間その資金を使う予定がないならば、問題ありませんが、5年以内に使うかもしれない場合は、異なります。運用状況に関わらす、解約せざるを得ない事態が発生する可能性があるので、リスクがより高まります。
IFAは異なる個人ニーズに対応するため、その投資家の財政状況を熟知した上で、一人一人に合った最適な商品を提案します。これは、正しい診断と処方箋を下すために、医師が患者の身体をよく診察するのと同じです。 2000万円運用するのに何が良いかとIFAに情報提供を求めても、現在のポートフォリオ状況、保有している他の運用商品内容、運用目的、リスク許容度などを伝えなければ、診察室に入って行き、医師の診察を拒み、脇腹が痛いので痛み止めが欲しいと要求するのと同じことです。もちろん、医師は、その要求を拒み、患者の身体の状態を把握できるよう、一度きちんと診察を受けるように説得し、診察をしてから、処方箋を書くことでしょう。IFAも同様です。

将来を見据えた投資に不可欠

また、IFAは、今、売れ筋の株式銘柄を教え、儲けさせようとする株式ブローカーや証券会社の営業マンとは異なります。投資家の最終的なゴールや目的に合わせ、最適なストラテジーを包括的に提案し、手助けすることが役目です。生活やニーズに変化がないか定期的に連絡をとり、投資家の最終的な目標や目的から逸れることのないよう、状況によっては、投資ポートフォリオ内容を変更し、更新していきます。皆さん、いずれ退職する日が来ると思いますが、退職後に、不自由しない十分な生活資金や、これまで夢見てきた生活を送るために必要な余興費の準備など、経済的な自立を確保することも、大事な目的の一つです。退職後の収入となる年金は、加入期間や所得にもよりますが、現状、年間150万円から250万円ぐらいが一般的なサラリーマンの厚生年金受給額です。国民年金であれば、夫婦満額支給でも160万円程度です。年金システム崩壊が懸念されていますが、少子高齢化を迎える日本では、支給額がさらに低下することは間違いないでしょう。年金だけでは、毎月の最低限の支出を賄うこともままなりません。あなたが将来送りたいと思う生活に、どれだけの資金が必要か考えてみてください。よく分散された投資ポートフォリオを構築し、控えめに年平均5-8%のリターンを得られると見積もって、60歳の退職時にいくら必要か計算してみます。年収3000万円確保するためには、年間5%を引き出すとして、6億円必要になります。つまり、退職時までに自分で6億円準備できないと、資産が底を突いてしまう恐れがあるということです。
未だに、多くの日本人が、自分の目標にいくらくらい必要か、どのように必要な資金を作成していくか、正しい方法を採っているか考え、振り返ることがないのは残念です。これでは目的地もなくドライブをしているようなものですから、到着地もわかりません。IFAは、金融商品を使い、安全に最短距離であなたの最終目的地へたどり着くことができるように、経路を地図に印す役割を果たします。独立系コンサルタントであれば、数百の異なる金融機関から適切な商品を選択できるため、より多くの選択肢の中からツールを選択し、計画を立てることが可能です。独立系か非独立系かの違いは、ここにあります。ホンダのショールームに行って、サイズ、形状、燃費など決め手になる条件を伝えると、ショールムスタッフは、条件に合ったホンダの車種を紹介してくれますが、決してトヨタやベンツ、フェラーリを推奨することはありません。独立系IFAは、状況に応じて、トヨタ、ベンツ、フェラーリ、ホンダと金融機関の制限なく、投資家のニーズに最も適う商品を探し出し提案することができます。また、IFAは、現在の道路の状況、投資環境状態を考慮して、車である投資商品を選択します。

自分に合ったIFAへの相談が目標達成への近道

資産の9割を現金で保有し、1割をハイリスクな個別株などへ投資する方が多いですが、ポートフォリオ全体のリスク偏重を考慮すると理に適いません。例えば、あなたが投資している株式が30%の利益もしくは損失を生む可能性を秘めているとしましょう。資産の9割が銀行預金で0.5%の利息を受取っているとすると、資産の1割にあたる株式への投資の影響は、包括的なポートフォリオ全体で捉えると、+3.45%、もしくは-3.45%にしかならず、運用効率が悪いポートフォリオになってしまいます。IFAは、通常、このように偏ったポートフォリオではなく、より安全なリスクの低い商品へポートフォリオの大部分を割り当てるよう勧めます。
どんなライフイベントでも、実現させるには、お金がかかります。早くフィナンシャル・プランニングを始めれば、早く目標金額を作成することが可能です。自分に合ったIFAに相談し、プロフェッショナルの立場からのコンサルティングを元に、効率よく適切なフィナンシャル・プランニングを行うことが、将来、思い通りの人生を送るための第一歩となることでしょう。

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