新型コロナウイルス感染により入院したまま、帰らぬ人となってしまったという残念なケースが多く報告されています。コロナに限らず、突然の出来事により、無言の帰宅となられる方は多数いらっしゃいます。このような状況で、悲しみに沈んだご遺族に追い打ちをかけるようにふりかかる相続問題。このようなことがないように、しっかりと準備をしていきたいですね。

特に厄介な、おひとり様問題

人が亡くなると、財産はどうなるのでしょうか。民法では、人が亡くなると、その瞬間に相続が発生すると規定しています。その相続は、被相続人の死後に残念な紛争が起きるのを避けるべく、様々な法律やルールが決められていますが、それでも毎年相続をめぐる紛争は何万件も起こっているのが現実です。その中でも特に、厄介だといわれているのが、おひとり様の相続。

ここでは、おひとり様というのは、独身でお子様もいない方を指すこととします。おひとり様が亡くなった場合、相続は通常よりも厄介になることが多いといわれています。その理由と、自分の人生に最後まで責任を持ち、自分の財産を自分の望む形で遺すことができるように、何をすべきなのかを考えてみませんか。

人が亡くなると、相続が開始されます。簡単にいうと、亡くなった人(被相続人)の財産は共有財産となります。遺言書があれば、原則として遺言書の通りに執行されます。遺言書がないと、法律で定めされた相続人に、法律で定められた割合で移転され、概念的に「共有」とされます。しかし、共有だと相続人としては非常に面倒ですよね。なので、相続人の誰がどの遺産をどれだけ相続するのかを具体化するために、相続人全員で協議し、決めた内容を書いて署名した遺産分割協議書をもって、遺産を「共有」ではなく、実際にわけることとなります。

おひとり様の相続

おひとり様の場合、親が生存していれば、親が相続人となります。親が他界している場合は、兄弟姉妹が相続人となり、兄弟姉妹も死亡していて、その兄弟姉妹に子供がいる場合(つまり、被相続人の甥・姪)がいる場合、その甥・姪が相続人となります。甥・姪となると、相続人同士の人間関係が希薄なことが多いので、遺産分割協議が長期化する傾向があるといわれています。

おひとり様の場合、利用していた銀行や、契約していた保険や金融商品などを調べるのが非常に困難になります。個人情報の保護が強化される今日において、配偶者でも簡単でないこの究極の個人情報を、兄弟姉妹や甥・姪が行うのはいかに難しいか想像できると思います。こういった事態を避けるために、おひとり様の場合は、特に遺言書を遺しておくことが非常に重要となります。

例え遺言書を書いても、無効であったり、誰も気づかないという事態になっては意味がありません。これを避けるために、行政書士等の専門家に見てもらい、遺言執行者を指定しましょう。弊社では、法的に有効な遺言書の作成のサポートはできませんが、財産の有効活用という視点でのアドバイスを行っております。