海外資産運用術-(4の1)

高騰し続けるコモディティ価格

世界数十億の人々が、原油価格と共に高騰する穀物価格の推移に危機感を抱いています。国際的な穀物価格の高騰を受け、貧困地域では飢餓の脅威から人々が暴動を起こし抗議する事態が多発しています。日本では、世帯所得の約15% が食費に充てられていると言われていますが、新興国では、世帯所得の50%以上が食費に費やされています。すなわち、パンや米などの主食価格が倍になると、生活の逼迫に直結してしまいます。この穀物価格の高騰には、不作や一部では天候変化、原油価格の上昇による輸送コスト高、インド、中国に代表される新興国諸国の急激な経済成長による穀物需要の激増など、様々な要因が重なり合っていると言われています。そして近年では先進国の低金利政策によってもたらされている投機マネーの問題も大きな要因として考えられています。

インフレリスクに備える

なかなか普段の生活からは馴染みが薄いインフレリスクですが甘く見てはいけません。デフレ下では、金利が「0%」のタンス預金でも実質高利回りになります。しかし1%のインフレになっただけで、実質利回りはマイナスになってしまいます。超低利回りの預貯金や国債を持ったまま「預貯金は元本割れしないから」と10年もほったらかしにしていたら、インフレの影響により「もの」の値段が上がってしまい、「実質マイナス運用」になってしまうのです。

海外資産運用術-(4の2)

物価上昇率より低い利回りで運用してはいけない!

簡単な例でお話ししましょう。昔に比べて物の値段が上がったものは沢山ありますね。例えば、ビールの大瓶はその昔(1975年当時)180円位でした。しかし現在は330円位です。物の価格だけではなく国立大学の授業料、これも1975年当時 36,000円から現在はなんと560,000円となっています。同じ1万円でも、物価が上昇すれば買えるもの(購買力)は低下するということです。30年前に1万円で大瓶ビールが55本も買えたのに、現在では同じ1万円で30本しか買うことが出来ません。1万円は1万円なので、その価値は減らないように思われますが、その換金価値が減ることによって、お金自体の価値も目減りしていくのです。
高度成長期からの円高によって世界での物価高騰の余波を退けてきた日本経済ですが、中国などから工業製品を輸入するようになってきました。現在の製品輸入率は65%を超えていますので、いったん円安になると世界の物価高騰の影響が家計に大きく跳ね返りやすくなっています。このまま日本政府の国債発行額が増し続けて、国際的に日本の信用度が落ちた場合、諸外国が保有の円を売りはじめ、急速に円安が進む事が可能性としてはあります。

突発的なインフレリスクにも備える

世界の歴史を振り返ると、国家破綻等により国債が利払い停止などに陥ると、それを引き金に突発的なインフレが起こります。記憶に新しいところになると、1990年以降のロシア崩壊時には、国内物価が一気に2500倍にも上がりました。100円だった缶コーヒーが一気に25万円に跳ね上がるのだからたまりません。突発的なインフレが起こると、勿論人々の賃金等も上昇しますが、銀行預金や現金で多くの資産を保有している場合、多大なる被害を受けます。たとえ高い利回りで運用をしていたとしても国内運用ではこの突発的なインフレに対抗することは出来ません。外貨による分散管理・運用を行うことにより、危機を脱することが出来るのです。

低金利時代に、いかにして資産を守り将来の生活に備えることが出来るか?国際的な分散投資が不可欠となってきます。国内投資と海外投資。まだまだ日本では馴染みが薄い海外投資ですが、様々なタイプの運用手法・保有通貨を組み合わせることで、将来的な不安を少しでも軽減しながら資産運用を行って頂くことが重要です。